【目指せ世界遺産登録】 恵美須ヶ鼻造船所跡


露と蘭の技術を使って洋式船を建造

恵美須ヶ鼻造船所跡世界遺産登録シリーズ、今回は「恵美須ヶ鼻造船所跡」をご紹介します。

平成 27 年夏の世界遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」は九州・山口を中心に8県11市に23資産あります。そのうち萩エリアには萩城下町、萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、松下村塾の5つの資産があります。

現在は石垣の防波堤が残っています。
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嘉永 6 年、ペリー来航に衝撃を受けた江戸幕府は、海防強化を図るため、それまで 200 年近く禁じていた大船の建造を解禁しました。これを受けて、安政 3 年( 1856 年)1 月、長州藩は西洋式造船技術と運転技術を学ばせるため、船大工の尾崎小右衛門を伊豆と江戸に派遣し、4 月には萩市小畑浦の恵美須ヶ鼻(えびすがはな)に軍艦造船所を設立しました。

この造船所では「丙辰丸(へいしんまる)」と「庚申丸(こうしんまる)」の 2 隻の洋式木造帆走軍艦を建造しました。「丙辰丸」はロシアの造船技術、「庚申丸」はオランダの造船技術によって造られました。また、「庚申丸」のイカリや船釘などの鉄を供給したのが、大板山たたら製鉄です。
このように同じ造船所内に異なる外国の造船技術が共存する造船所は他に例がないことがわかり、平成 25 年度( 2013 年)に国指定史跡に指定されました。

安政 3 年( 1856 年)に造られた「丙辰丸」
恵美須ヶ鼻造船所跡

安政 5 年( 1858 年)に造られた「庚申丸」
恵美須ヶ鼻造船所跡

恵美須ヶ鼻造船所跡は、数少ない近代西洋造船所跡のひとつであり、近代技術が日本に導入された経緯を知る貴重な遺産です。


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